第84回煌め句会「古代蓮の里・さきたま風土記の丘」吟行俳句会
第84回煌め句会・吟行俳句会を梅雨の晴れ間に恵まれた6月28日(日)に開催致しました。総勢8人の会員が黒木徹雄さんのご案内で、埼玉県行田市の「古代蓮の里」と「さきたま風土記の丘」を、吟行し句作を楽しみました。
*「煌め句会」については5月7日服部一彦さん投稿の「煌め句会のこと」
http://www.mci-shayukai.com/activity/tsudoi/st_0003.html をご覧ください。
「古代蓮の里」では約1400年から3000年といわれる永い眠りから目を覚ました行田蓮の神秘的な美しさを満喫するとともに、世界各地から贈られたものを含む咲き揃った41種にもおよぶ蓮の花を堪能致しました。
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永い眠りから覚め今年も咲き初めた古代蓮 |
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蓮園で中川祥、堀江、中川政、静間各氏 |
「さきたま風土記の丘」は五世紀末から七世紀頃に造られたものと推定される大型古墳群です。古代史上有名な鉄剣が発見された稲荷山古墳をはじめ日本一の円墳の丸墓山古墳、将軍山古墳等、大型の前方後円墳及び円墳9基があります。折りしも気持ちよく吹く行田の風の中の散策は、ゆっくりと流れる古代の時間に浸ることが出来た一時でした。
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稲荷山古墳(前方後円墳)遠景 |
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日本一の円墳丸墓山古墳 |

丸墓山古墳(円墳)登り口にて
2時間余りの吟行の後、窓を開けると間近に古墳の裾が眺められる割烹料理屋「一寸一(ちょいといち)」で事前に投句された兼題「胡瓜」各人1句(当日参加出来なかった方の句を含む)及び当日の吟行句各人2句について披講、選句、合評となりました。アルコールが少々入り、褒めるものあり異論を唱えるものありの満ち足りた句会でした。
以下、当日吟行作品、兼題「胡瓜」事前投句作品です。
【吟行句】 |
夏草や繁りて守る王の夢
涼風や埼玉(さきたま)古墳頂に立つ
氷屋の幟旗めく墳(つか)の前
古墳から古墳へさきたま梅雨曇り
円墳に眠るは誰ぞ行々子
人声に黙っておれぬ牛蛙
惜し気なく花弁散らすや古代蓮
御釈迦様万古の蓮に酔しれる
古人いま眠り足らずや行々子
大らかに死にたし古墳の行々子
古代蓮咲かせ継なぎて三千年
黄あまた緑の水面に花莕菜(アサザ)
車椅子の白髪にこそ蓮の栄
アサザ咲き黄色の天使舞いて来し
水面を埋めてアサザ蝶の如
古墳群しずもる野辺や行々子
はなびらは十七八枚古代蓮
アサザ咲き太古へ誘う蓮の里 |
黒木徹雄
静間勇夫
鈴木壮治
鈴木忠夫
中川政則
中川政則
鈴木壮治
乳井俊雄
服部一彦
堀江和美
黒木徹雄
鈴木忠夫
服部一彦
堀江和美
静間勇夫
中川祥子
中川祥子
乳井俊雄 |
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兼題【胡瓜】 |
朝酒や妻の小言と胡瓜もみ
プランターくの字への字の痩せ胡瓜
大胡瓜土地では土地の音を噛む
遠き日の歯ざわり加賀の胡瓜もみ
胡瓜食え虫に言い寄る子らの声
終日(ひもすがら)胡瓜吊して河童待ち
取れ立ての胡瓜一本酒二合
黙(もだ)多くなりし食卓胡瓜食む
なり過ぎてレシピ調べる胡瓜漬け
胡瓜買う骨が有るらし山の神
もろに齧る胡瓜はじけて青山河
胡瓜もみ酒中模索の一句かな
朝とれの胡瓜もて釣る河童かな
タバサよりの胡瓜マリネは甘みがち
胡瓜もみ指細き手や母ここに
胡瓜漬け茶漬けを二杯食しけり |
神野安夫
菅沼基子
三木久也
中川祥子
乳井俊雄
太田淑江
立沢哲也
黒木徹雄
静間勇夫
鈴木壮治
服部一彦
鈴木忠夫
中川政則
服部ひろみ
堀江和美
田中英俊 |