平成七年十二月二日、西武沿線高麗地区に旧三井石油化学の社員三人が吟行を行ったのが、句会の始まりです。
以来会員が少しずつ増え始め、隔月一回(当初は月一回)に句会を催し、今年の四月で八十三回になりました。
その間会の名称を「煌め句会」と正式に決め、合同句集も刊行いたしました。途中物故者もあったりしてすべて三井化学OBばかりになりましたが、会員の配偶者や友人も入るようになり、現在はほぼ十五名の会員で元気に句会を行っています。
この会の特色を一二申し上げますと、どの結社にも属しておらず職業俳人の指導は受けていません。従い句風は自由闊達です。また毎回の句会は必ず吟行と句会(飲食あり)がセットになっていることです。吟行地は都内を中心に周囲の近県に及び、名所旧跡に限らず美術館、庭園、時には競馬場に出掛けたことも、また一泊の吟行を試みたこともあります。年末には忘年句会の後でカラオケ大会がおこなわれることも屡々です。
当日の吟行地選定と句会場所の設営は会員の回り持ちで行っています。
因みに最近の吟行地は日光街道最初の宿場であり、小塚原刑場、やっちゃ場があったところ、また芭蕉が奥の細道への旅に草鞋を履いた北・南千住界隈でした。宿場町の面影をとどめる旧市街と活気溢れる下町商店街とのコントラストが誠に興趣ある吟行地でありました。
句座では予め出されていた宿題(「兼題」といいます)と当日の吟行で出された句の中から自分の句を除き、よいと思った句を規定数だけ選びこれを推薦する(「披講」)、それについて皆の論評(「合評」)が行われ、最後に作者の名乗りが行われます。
また句会に出席出来ない場合は欠席投句を行うことができます。欠席投句者には後日選評が送られてきますから、これにより自句の評判や改善点を知り、学習することが出来るようにしてあります。
なお会員の参考のために、俳句の基礎知識、初歩的な作句技法についてのガイドペーパーが適宜配布されることがあります。
「煌め句会」は格式張ることなく、またいつでも誰でも参加できますから、ご興味をお持ちのある方はどうか遠慮なくご照会ください。歓迎いたします。
次ぎに今年四月に行われた句会(兼題)で披露された句を掲げます。ご高覧ください。(アイウエオ順。不在投句者7名分を含む)
青き踏む孫と手つなぎ藪を抜け
青き踏むらの笑顔で憂さも飛び
青き踏む犬の元気に牽かれつつ
蒼踏みて行き止まりなる小寺かな
踏青や青年大いに悩むべし
青き踏み僕の後に道がある
踏青や母校見下す丘に立つ
孫の足よちよちなれど青き踏む
昨日西今日は南へ青き踏む
ここよりは奥の細道青き踏む
幼子やいちにと立つち青き踏む
天からの未知の声聞き青き踏む
青き踏む気土ふまずより脳天へ
青き踏むクジラ見えるという岬
なお六十路ロイ島台地に青き踏む |
太田淑江
黒木徹雄
静間勇夫
神野安夫
菅原基子
鈴木壮治
鈴木忠夫
田中英敏
中川祥子
中川政則
乳井俊雄
服部一彦
服部ひろみ
堀江和美
三木久也 |