旅行に行って自然の素晴らしい風景に感激しその感動を記録しようと写真を撮るが、後日その写真を見るとその時の感動が全く感じられない平々凡々な絵になっていることが多々ある。多分、光と影とか対象物とかの構成力の不足であり、所謂、カメラセンスが無いためであろう。
そんな中でこの数年間に遭遇した奇妙な写真を紹介します。
(1)深田久弥の心霊写真
過日、山梨県にある茅ヶ岳に登った。御存じのように「日本百名山」の著者である深田久弥が登山中に69歳で亡くなった山である。登山口に「深田久弥先生終焉の地」の石碑があり、名言「百の頂に百の喜びあり」が記されていた。さっそく、写真を撮り帰宅後開いてみたところ、驚いたことに、なんと、深田久弥先生の登山姿が映っているではないか!
写真①を見てください。実際に亡くなった山中にある慰霊碑を最大の敬意を持って祈ったから、それに感激してお出ましになったと推察した。
実は、写真の人物をよく見たら一緒に登った仲間ではないか。
最初、正面から石碑を撮ったが、ピカピカに磨かれ鏡のようになった御影石の為、自分自身の姿が映り、石碑の銘文が見えなくなった。そこで、斜め45度から撮り直しをした。いい写真が撮れたと思い確認しないで下山した。ところが、偶然仲間の一人が反対側の斜め45度に入ってきたのに気付かなかったのである。
(2)ある逃亡犯の写真
南アルプスにある日本2番目の高山である北岳に登ることにした。そのため登山前日に麓の民宿に泊まった。夕食後、テレビを見ていたら、当日、山梨県内で強盗殺人を犯した3人組がこちら方面に逃走中とのニュースが流されていた。また、明朝から県警と消防団による山狩り捜査を開始するとのことであった。
翌日バスにて広河原登山口に行き登山準備をしていると、なんと登山姿の不審な3人組を見つけた。これは・・・・と思い、言葉巧みに写真を撮ることの承諾を得た。ところが、シャッターを押す瞬間に3人とも顔を背け、登山口の方に駆け足で去ってしまった。そこで、捜査に役に立つだろうと考え、この写真②を県警に届けた。ただ、その後、捜査は尽くされたが、行方は杳として分からず未解決のままである。
実際は、小生を入れて4人で「北岳~間ノ岳~農鳥岳の白峰三山」縦走のスタート時の出来事であった。小生がシャッターを押す瞬間に後方で何か音がしたので3人とも後ろを振り返ってしまった。デジカメにはシャッターに変な「遊び」があり小生は上手く対応はできなかった。そのうえ、出来栄えを確認しないいい加減な性格だからからこんなことになってしまった。
(3)何でもない変顔の「ガキ」
写真③は小生の孫達である。カメラを向けると“セーノ”とか言って兄弟で変顔である。全くまともな写真を撮らせてくれない。
隔世遺伝なのか、小生の冗談好きの“祟り”であろう。
完