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◆内田さんは高校1年の時にアマチュア無線の国家資格を取得されたとのお話でしたが、当時は電話級ですか?
内田) |
えぇ、電話級という電波出力10Wの音声を乗せることができる無線従事者資格でした。いわゆる初級資格です。 初級には他に電信級なる資格がありましたが、こちらはモールス信号による交信が許可されていました。小生にはちと難しかったです。 |
◆その後上級の資格を取られて、いまは最高位の1アマの資格をお持ちだそうですね。
内田) |
そうなんですよ。4年前に国家試験を受けて一発合格ですよ、すごいでしょ!ずいぶん気合を入れて(ベッドで寝落ちしながら)3か月間試験対策しましたね。 試験後に自己採点しましたが、無線工学は満点、法規は90点、悔しいですが過去問になかった「衛星通信」に関わる問題が初めて出題されて、カムバックおじさんは躓いてしまいました。先進的失敗と妙に納得したもんです(受かったから言える…)。 若干恥ずかしいですが、これが新旧の従事者免許証です。(顔写真はともかく、新は富士山と桜のホログラムが素敵です)
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◆おぉ、お若い! 1アマ合格とはすばらしい実績です。モールスの実技練習も大変だったでしょう。
内田) |
それが時代が変わっていましてね。モールス実技は2011年10月に廃止されて、今は符号を覚えていればOK(Aは ・― とか)となっています。 プロの世界でも船舶通信などでは電話やデータに置換えられているそうです(件の衛星通信の進展が要因)。 もっとも何故かプロ資格試験では高い技量が求められていますので、この辺りちょっと不思議ですね。 小生が上級資格を取得しようと決心した理由の一つが、このモールス実技廃止でした(^^; 昔はとても敷居が高かったのですが、これなら何とかなると...
でも、モールスにはノスタルジー以外の魅力がありますね。 かく言う小生、只今試験対策ではなくて、モールスの練習中です。 最近はコンピュータとの連動で、符号を復調出来るソフトもありますし、勿論キーボードからプロ並みの速度で送信出来るソフトもあったりして、多角的に楽しめる環境が揃っています。 その上でノイズに埋もれそうな微かなトンツー信号を受信し、遥か遠方の局長さんの手元を思い浮かべるのも一興かと思っております。 |
◆ところで、1アマは最高1KWの送信が許されているんですよね。ローカルのFM局は数十Wってところもざらですから、すごく強力な送信ができる。お手元の送受信機も強力なラインナップですか。
内田) |
まぁいろいろと懐事情とご近所への混信・迷惑対策もありまして、最初はインド製の10W機キットを通販で入手し(100$)、ネットの先達情報を参考にしながら組み立てました。これは現代のアマチュア無線界を知る上でとても良い機会となりました。
現在はFT-991なる国産100W機材をメインに使っています。
しかしながら、電波の送受信能力は機材の豪華賢覧さのみに依存するのではありません。 特に無線通信では、アンテナこそが命です。
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◆つまり、アンテナの設計・製作に知恵の使いようがあると・・
内田) |
最近は個人のアンテナ設計も飛躍的に進歩しています。 特に電磁界シミュレータによる設計がパソコン上で可能となり(なんと無料のソフト!)、いくらでも夢想できます。
また、実際に製作したアンテナをチューニングするのも大切なステップですが、そのための測定機材はマイコン内蔵の優秀なものが安価に入手可能で、自作も出来ます。 アンテナ本体の製作もネットとDIYのおかげで、とても容易になりました。 AlパイプやCuパイプなど、電設資材に事欠くことはありませんし、通販なら安価なChina製も調達できます。 本当にいい時代になりました。 |
◆オペレーションはどうですか
内田) |
パソコンがかかせませんね。 電波形式によっては自局の電波が地球上のどこまで届いているのかも即時に把握できます。電離層の状態を「宇宙予報(ホーム | 宇宙天気予報 (nict.go.jp))」で確認しながら、周波数や時間帯の最適化も可能になりました。 QSLカードの交換はeメール経由が当たり前で、交信直後に送られてきます。特に海外局との交換はとても容易になりました。 もちろん手持ちのハンディ機で散歩しながらの運用も、スマホがあれば便利に楽しくエンジョイできます。 PCとネットとHAMの親和性は限りなく高いですね。 |
◆「宇宙天気予報」のホームページは見慣れない情報が満載で、何やら謎めいていて、見ているだけで楽しめますね。ところで、電波は世界中を駆け巡ることが出来ます。今、悲惨な状況にあるウクライナとの交信実績などもお持ちですか
内田) |
昨年3月に頂いたカードです。Odessa近郊のNikolaev在住、Starchaevさんからですが、今もお元気でしょうか。 とても心配で身近に「危機」を感じていますが、これもまた無線のなせる視点なのかと思っております。
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◆ではそろそろ「休憩」を終えて、第3回をお願いします。
内田) |
承知いたしました。 どうぞご期待ください (@^^)/~~~ |
***次回に続く****