『私とテニス』
ライフキャリアカウンセラー・横山 出
「そうだ、テニスをしよう」
楽しい岩国独身生活の中、結納金を貯めるための結論でした。
運動音痴の私の呼びかけで集まってくれた装束寮の仲間に感謝しかありません。そして50年後、昨年末の“木曜会”でその友とテニスを一緒にしている、幸せで素晴らしいと思っています。
「そろそろ消化試合してやるか」
30歳で結婚し、1面しかない室の木社宅コートで待つ私、そして大学からテニスをしていた方々には全く歯が立ちません。少しでも長くコートに居たいので、皆の癖を観察、覚え、予測してボールに食らいつく。𠮟咤激励の嵐、必死でした。運動会で万年最後尾の私が、足が速いなんて言われて大感激したこともありました。
34歳で大阪営業所に転勤、8年間の三井グランドのアンツーカーコートは素敵でした。42歳からの浜田山コートの毎週は、転勤でのストレスを癒してくれました。その仲間との“木曜会”が今でも続きます。
「“セルフ2”を大切にしています」
50歳から転職支援と研修講師などに仕事が変わりました。新たな学びの中で“コーチング”を知り、その祖・ティモシー・ガルウェイはテニスコーチでした。彼は自分を委縮してしまう“セルフ1”を制御して、今日こそ大丈夫と自分を信じる“セルフ2”こそが潜在的な学習能力と創造力を機能させると説いています。私も「心で打つテニス」の著書に共感しています。
「今日が一番若い日」
78歳の現在、一人ひとり違う身体や能力を強く感じます。自分らしい人生を、残された力をうまく使って、しなやかにコートを駆ける。たくさんの先輩の姿を想い、友人と楽しく、より長く、明日も“今日が一番若い日” を目指しています。
末筆になりましたが、温かく見守ってくれる愛妻に、最も感謝しています。