北アルプス、、南アルプス、白山も高山植物の大規模なお花畑が見られることで知られている。いろいろな山域でいろいろな花が見られるが、こんなところにこんな花があるのかと珍しく思ったところを取り上げて紹介する。北アルプスでは白馬岳周辺、雲の平のお花畑が最も有名で学生時代に訪れて見ているが、残っているのは周辺の山の展望写真ばかりで、お花畑や花の写真はなかった。ここを訪れた人がいれば紹介をお願いしたい。
1. 北ア・燕岳 コマクサ
8月上旬中房温泉から燕山荘に上って一泊。翌朝花崗岩の岩尾根を辿って燕岳(2762m)に登った。山頂から引き返すのが普通であるが、私たちは更に北燕岳に向かって進むと山道の両側の砂礫地にコマクサが群生して広がっているのが見つかった。中ア・木曽駒ケ岳や南八つ・横岳でもこのコマクサを見ているが、どちらも個体数が減少して保護修復中でこんなに大規模な群落を見るのは初めてである。
その姿が美しく、他の植物は育たない厳しい環境の砂礫地に生育することから「高山植物の女王」と呼ばれる。コマクサ(駒草)の名前は馬(駒)の顔に似ていることから名付けられている。
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コマクサ |
2. 南ア・地蔵岳 タカネビランジ
7月下旬青木鉱泉からドンドコ沢コースで鳳凰小屋に上って一泊。翌日地蔵岳、観音岳、薬師岳と鳳凰三山を縦走した。樹林帯を抜け地蔵岳(2764m)の稜線直下に近づくと砂地のあちこちにピンクの可愛い花が咲いているのが見られた。南アルプスだけに育つタカネビランジである。
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タカネビランジ |
3. 白山 ハクサンチドリ、ハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、クロユリ
8月上旬岐阜県の平瀬温泉から白山(2702m)に登った時、室堂近くでいろいろな花が咲いたお花畑に出会った。ハクサンチドリ、ハクサンコザクラ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャクナゲなど白山で初めて発見されてハクサンを冠った花が20数種類あるそうだが、ここではハクサンチドリ、ハクサンコザクラ、ハクサンフウロを見つけた。その他はここでは見られなかった。別の場所か別の時期に咲いているのかもしれない。
戦国時代のの武将・佐々成政の愛娘の生れ変り伝説で知られるクロユリが大群落で広がっているのには驚いた。白山のクロユリは個体数が日本随一と言われる。
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ハクサンチドリ |
ハクサンコザクラ |
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ハクサンフウロ |
クロユリ |