あ、先輩! お久しぶりです。お元気そうで何よりです。最近もお得意のゴルフが絶好調とか、風の便りでお聞きしました。あまり勝ちすぎて、恨みを買われないように・・・とは、すみません、お釈迦様に説法でした。
私ですか?最近、片耳が聞こえなくなったり、あちこちガタが来てますが、まずはそれなりに日々を暮らしています。
そうそう、私の娘が3年前にヨーロッパで結婚して、今ロンドンに住んでいます。それが縁で、私ども夫婦もヨーロッパに遊びに行く機会が増えました。この6月も、娘夫婦宅を足掛かりに観光してきました。
イギリス国内も、それなりに鉄道網が整備されています。そこで、ロンドンから北へ、英国の在来線に乗って、小説『嵐が丘』で有名なハワースへ旅してきました。この小説を読んだことはないのですが、夏に訪れても荒涼とした荒々しい場所です。でも、地元の人たちは親切で、話しかけるといろいろと親切に教えてもくれました。
ハワースに行く鉄道の一部、キースリー⇔ハワース間に蒸気機関車が走っていましてね。せっかくだから、時刻表を調べて、これに乗ってみました。
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【駅の風景】 |
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【準備中のSL】 |
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【ボランティア求人ポスター】 |
私が子供の頃は、大牟田から熊本に行く鹿児島本線の急行も、蒸気機関車が引っ張っていました。トンネルに入る前に大きく汽笛を鳴らします。これを聞くと、乗客はみんな慌てて窓を閉めるんですね。そうしないと、石炭を焚いた煙が車内に入ってきて、独特のにおいで息苦しくなるんでした。
今、日本でもあちこちで蒸気機関車が観光運転していますね。私も6年近く前に、大井川鉄道で乗りました。機関車は真っ黒のC11型。客車も子供のころそのままの、木造の車内でした。でも、一つだけ、大きく違ったのは煙のにおい。懐かしい石炭を焚いたにおいが希薄で、トンネルに入って窓を閉め忘れても、息苦しくないんですよ。石炭の種類が違うのかな。
今回、ハワースで乗った蒸気機関車は、ボランティアで運行されているんだと思います。いろいろな年恰好の鉄道マンが、機関士やら駅員やらで楽しそうに乗客の世話をしていました。イギリス中から観光客が集まってくるんでしょうね、年配の夫婦を多く見かけました。もちろん、私どもも“年配の夫婦”ですが。
機関車は日本と違って小型で、子供の絵本の“機関車トーマス”みたいです。これが力強く4両くらいの客車を引っ張ります。
客車の一部には小規模のパブも開店していて、おじいさんがビールを飲みながら汽車の旅を楽しんでいます。私どもも窓からの田園風景を楽しみながら、悦に入っていたら、あっという間にハワースでした。
ハワースの駅のすぐ先に、陸橋があります。汽車を降り、カメラを片手に大急ぎで、陸橋に上ります。すると、汽車が大量に煙を吐き出しながら駅を出発します。目前に迫る蒸気機関車を思う存分カメラに収めて、満足した時、機関車が陸橋の下を通り抜けました。汽車は盛大に煙を吐いています。 |
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この煙は・・あの息苦しくなる懐かしいにおいでした。一遍に、あの頃のいろんな事がよみがえってきました。
これがその時の写真です。イギリスに行って、50年以上前の汽車の旅を思い出していました。 |
すみません、自分の話ばかり長々としてしまいました。これからも、娘夫婦を訪ねて足繁くヨーロッパを訪れることになると思います。先輩は、あちらにはよくいかれたこともおありかと思います。良いところがあれば教えてください。ロンドンから足を延ばして、いろんな場所を訪れてみたいと思っていますので。