今年も4月22に三井化学安全の日がやって来ました。三井化学の鹿島工場にとっては、最後の安全の日になります。ウレタン事業の再構築として、2016年に鹿島工場を閉鎖するからです。3月末にはウレタン関係のプラントを停止し、4月からは解体に向け脱液・パージが始まっていました。
今年の3月1日に石油化学工業会からの依頼を受け、鹿島にある三菱化学の講堂をお借りして安全講演「日本の化学産業100年間で何を学んできたのか」いう講演をした際、聴講してくれた三井化学の鹿島工場長から「解体工事に関する事故や災害の教訓」を4月の三井化学安全の日に話してくれないかとの依頼を受けました。
最近は、各企業でも古いプラントの解体工事で火災なども起きており、私も「解体工事」という切り口で情報を整理していたところでした。少しでも鹿島工場の解体工事で安全に役立てるならということで講演をお受けしました。
約90分間の講演でしたが、過去に起きている解体工事での教訓をお話しすることができました。講演の最初は、労働災害という切り口で開口部からの人の墜落や工事資材の落下事故。撤去配管の確認で上を見ながら歩いていて転倒。撤去配管からの薬液による負傷。また、撤去したコンクリートガラによる、アルカリで薬傷労災など、過去繰り返し起こっている案外知られていない災害をテーマに選び話をすすめました。
後半は、爆発や火災などの化学災害です。タンクやタワーの中に残った残渣などに含まれた有機物や可燃性物質などで思わぬ事故が解体工事などで起きているので、少しでも参考になればと事故事例を話すことにしました。
90分と限られた時間ではありましたが、解体工事で起きている過去の代表的な事故のパターンはお話しできたのでは無いかと思っています。
講演を終わって帰りがてら、工場の「三井化学株式会社鹿島工場」という門表の写真を撮ってきました。在職中、鹿島工場は何度も訪問してきましたがこの三井化学という名前が無くなってしまうのだなと、しみじみ思った安全講演でした。

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