あるサラリーマン人生の『木目模様』 |
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〔要旨〕
岡崎さんはお寺さんの生まれ、東京で育ち、昭和29年東京理科大を卒業し、東大の生産研究所、野口研究所を経て昭和37年に三井石油化学に入社した。
本店企画部に入社、岩国工場製造現場から珍しく事務部製品化に転じて入出荷設備の大拡張を実施した。その後は技術開発部で樹脂加工商品の開発に取り組み、新市場開発に苦労した。昭和49年本店に戻り化成品の生産管理に任ぜられたが、加工商品の市場開拓に苦労していた仲間を見放せず、深夜まで相談に乗った由。次いで千葉工場の保安部長を拝命し、トラブル撲滅に智恵を絞った。再び岩国工場に転じ、技術部長として石油ショック不況からの脱出に努めたが2年後本店物流部長に任ぜられ、全社・全製品の物流合理化に格段の成果を挙げた。昭和60年三京海陸運輸の社長として千葉に大型倉庫を完成した。その後製品PR室長を担当したが、4年間の九州大洋化成社長に転出、在任中素晴らしい業績をあげ平成5年6月に退職した。退職後1年足らずで奥様に旅立たれ、子供は独立して独り暮らしにも関わらず、①発色の研究継続 ②園芸に打ち込み自宅周辺を花で飾る他、練馬区の都立公園を守る緑の推進委員会長を勤め ③国内・海外の登山にチャレンジし、年賀状には、素晴らしい山の写真がいつも登場している。
〔感想〕
著者は三井石化に勤務してから企画・技術・生産・物流の各部門を担当する毎に、問題点を解明し新機軸を打ち出し、合理化や改革に存分に腕を奮い、会社に大きな貢献をしたことを生い立ちから始めて淡々と述べられている。今更ながら、著者の素晴らしい天分と、それを惜しみなく発揮させた会社幹部の度量に、声援を送りたい。残念ながら奥様は退職後1年足らずで逝去され、独り住まいにも関らず元気に前向きに、実りの秋を満喫され、社会貢献もされている有様が、平易に且つ軽妙な筆致で書かれており、閉塞感の強い現代サラリーマンにとって活眼する所大であろう。
一読必至!!
[事務局より]
「家のベランダに敷きましたよ」とミラストマー(熱可塑性弾性材料)のネトロン(網目状押し出し成形品)の写真を見せていただいた印象は忘れることが出来ない。将来の展開希望を、ふと口にしただけなのに。その有言実行力は我々後輩の支えでした。退職後も日本の森の再生や環境・資源についても参画されており、そのベースとなった幅広い見識がこの一冊に凝縮されています。岡崎さんの誕生から近況までを写真を交え、平易な文章での202ページの労作です。会社の方々のお名前も多数記載され、懐かしさが込み上げてきます。知恵、人脈、ボランティア、家族への愛の言葉が散りばめられた一冊です。
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*国会図書館にも蔵書「0002053670」されております。